爪痕

 先日、南相馬の小学校を実習指導のために訪問しました。その帰りに、郡山まで用事があり、南相馬から阿武隈山系を超えて行きました。ナビ任せで向かったのですが、道はどんどん山の中に入っていきました。雨が降り、霧が出てくるようなわびしい感じになっていきます。
 途中、対向車も来ない山中で、ふと何かが道路をふさいでいました。
 何だろうと思って見ると、大きなニホンザルです。こちらをにらみつけていました。私は無視して車で走っていきました。びっくりしました。その次は熊に遭遇するのではないかと不安に思いながらそのまま走って行くと、なにやら大きな黒い袋が道ばたにところどころ積まれていました。何だろうと思いながらそのまま車を走らせていたのですが、途中、工事中の案内があって、よく見ると「放射線除去作業中」という看板を目にしました。そうか、ここはあの福島第一原発事故による放射能汚染によって被害を受けた所でした。大館村という名前も見えてきました。平地に降りていくと、田畑は荒廃していました。大きなビニールシートで畑を覆っているところもありました。農業は行われていないようでした。
 今回初めて、福島県の原発近くまで向かったのですが、やはりこの事故の影響を感じることでした。今では何もなかったような風景を見せている所も多いのですが、よく見るとその爪痕はあちこちにあるようです。道ばたでにらみつけたサルは、そんな人間社会に対する怒りを見せていたのかもしれないなあと思うことでした。

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by shin-pukupuku | 2016-09-27 09:02 | 雑感 | Comments(0)