カテゴリ:映画( 351 )

「奇跡の教室」を見て

 闘龍灘さんやあまのじゃく氏に影響を受けて、タイトルのDVDをレンタルしてきました。
 ところが、部屋のレコーダーが壊れてしまったようで、テレビで見ることができず、やむなくパソコンで見ることとなりました。イヤホンをつけようとしたら、今度はそのイヤホンがおかしくなっていたようで、音声はパソコンから流れる小さな音だけとなってしまい、苦労しながら見ることでした。
 ところが、作品は感動的でした。お二人が進めるだけのある優れたものでした。感謝、感謝でした。
 私が考えたのは、自尊心を失いかけていた劣等生の高校生たちがいがみ合う多様な宗教と民族のクラスの中で、最初はやる気もなかったのに、なぜ、次第に熱心にアウシュビッツとユダヤ人虐殺の歴史的事実の学びに真剣に取り組むようになったのかということです。
 歴史と地理の担任の先生の努力はだれも否定しないでしょう。
 しかし、この映画はこの先生が特別なのではなく、どの先生も生徒たちを導くことができるのではないかと問いかけている気がしました。それは、歴史的事実を直視させ、その学びから生きている意味を問い返し、どのように生きていけばよいのかを見つめさせることの大切さです。
 キーとなった場面が2か所ありました。ユダヤ人虐殺の資料館を訪問したことと、強制収容所から生還した生存者の体験談です。特に体験談の話を聞く場面は、生徒たちの心を揺り動かしました。自分自身の生を感じ、当時の虐殺された一人一人の人々の思いを想像し、そしてその人たちのためにも自分自身の今と向き合って自分の生を大事にしながら生きていくことの大切さを学んだのだと思います。
 学びの中で巡り合った虐殺されたユダヤ人の名前を風船に書いて、最後、その風船を弔いながら飛ばしていくシーンは素敵でした。
 日本の歴史教育は、この実践のように自分自身の生きざまにせまる学びになっているのか、それを思いながら映画を見終えることでした。

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by shin-pukupuku | 2017-07-22 17:30 | 映画 | Comments(0)

涙が頬を…

 「いつまた、君と何日君再来」の映画を見ました。向井理の祖父母の話のようですが、感動しました。涙が頬を濡らすほどでした。
 何が感動を生んだのか。
 それは、市井の人が社会の中で貧しさに負けず、懸命に生きようとしているその姿に心惹かれたのです。人生とは何だろうか、幸せとは何だろうかーそのような哲学的な問いに対する答えもこの映画は準備していたように思いました。そのことを高尚な哲学者や、著名な人が語るのではなく、社会で挫折を繰り返し、貧しい暮らしを耐え忍んできた一人の市井の人が語ろうとするのです。幸せな時間というのは、実は日常的な生活の中にあり、物質的なもので満たされるものではないことを教えてくれています。二人は夢の中で世界一周の旅を語り合いますが、その夢は絵の中で満たされていくのです。
 映画としては直線的すぎるストーリーです。もう一工夫があるとさまざまな賞を取るかもしれません。しかし、私はこの直線的なストーリーで良かったのかもしれないと思いました。向井理の祖父母は、おそらくこのような映画になったことを驚きとともに、喜んでくれているのだと思います。

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by shin-pukupuku | 2017-07-02 06:08 | 映画 | Comments(0)

「ハクソー・リッジ」を見て

 タイトルの映画を見ました。イオンシネマでは、55歳以上は1100円という割引がありますが、初めて利用しました。映画好きにとっては、この上なくありがたい割引です。映画を見る機会も増えるかもしれません。
 さて、その映画ですが、殺戮シーンの多い戦争映画でした。リアルな戦場の様子を描いていたと思います。そこには、戦争の本質を描こうとするねらいがあったのかもしれません。軍隊は憧れるものではなく、殺し合いの場なのだということを教えてくれています。
 また、この映画では「良心的兵役拒否」がテーマになっていました。主人公は、銃を手にしない、人を殺さないという信念のもと、太平洋戦争のさなか、軍隊に入隊します。当然、軍隊においては、そのような兵役拒否者を受け入れようとはしません。彼は、軍法会議にかけられてしまいます。しかし、……。
 アメリカ社会が憲法のもとで、自由をいかに大切にしているかを伝えようとしている映画でした。寛容な社会がアメリカであること、そのために良心的兵役拒否者も軍隊において銃を持たず、人を殺さない衛生兵を受け入れたことを教えてくれています。それは、現在のトランプ大統領の不寛容社会に対する批判的な暗喩があるような気がしました。
 しかし、戦争シーンが沖縄戦で、殺し合う兵士が日本兵というのは、やはり見る方としては気持ちの良いものではありませんでした。戦場は、嘉数高地の戦いでしょうか。切腹シーンもありました。
 簡単に人が殺されるシーンが多数出てくる映画です。やはり、目を覆いたくなるシーンの多い映画でした。
 

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by shin-pukupuku | 2017-06-26 05:46 | 映画 | Comments(0)

「家族はつらいよ2」を見ました

 山田洋次監督作品「家族はつらいよ2」を見ました。前作も見ていましたので、第2作はどうなるんだろうかと期待を持って映画館に向かいました。
 いやあ、なかなかおもしろい作品でした。ベースは「コメディ」なのですが、社会に対する批判的なメッセージも織り込まれていて、さすが山田監督という感じでした。客も何度も大笑いしていましたが、感動するところでは感動するという感じでしょうか。寅さんの作品に通じるところがあるのだと思います。
 タイトル作品にあるように、この映画は現代における家族問題をテーマにした作品です。今ではめずらしい3世代同居家族が舞台になっているのですが、今回の作品では下流老人の問題や身寄りのない高齢者の問題がクローズアップしていました。
「70歳過ぎても働かざるを得ないこの国はいったいどうなっているんだ」
 その台詞は、まさしく社会問題を見事に映画化し、観衆に考えさせるものであったと思います。
 おそらく、また第3作は続くでしょう。ぜひ、ご覧になってください。

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by shin-pukupuku | 2017-06-11 09:46 | 映画 | Comments(0)

「花戦さ」を見て

 タイトルの映画を見ました。主役の池坊専好役の野村萬斎の演技力で成功している作品だと思いました。
 戦国大名であった織田信長や豊臣秀吉がなぜ茶の湯や生け花を大事にしていたのか、そこには血生臭い時代の中で、茶の湯や生け花がひと時の心の安らぎを与えてくれたからでしょう。この作品でも、生け花の魅力が映像の美を通して観客に語りかけてくれていたと思います。生け花の花のあざやかさがとても魅力的な感じでした。
 ストーリーは、花戦さという名の通りに、秀吉に対して「生け花」を持ってその傲慢になった姿勢をただすというものでしたが、まあまあ楽しく映画を見ることができました。
 ストーリー以上に、生け花のすばらしさを感じてしまった私でした。

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by shin-pukupuku | 2017-06-04 10:56 | 映画 | Comments(0)

今朝の朝ドラ

 今回の朝ドラ「ひよっこ」は視聴率も高く、ドラマとしての好感度もかなり良いのではないかなと思いながら見ています。しかし、高度成長時代をあまりにもノスタルジックに、そしてよき時代であったと描きすぎではないかなと私は思っています。たしかに、人びとの給料は増え、生活は豊かになっていたわけですので、物質的な面においては豊かな生活が送られるようになっていったことでしょう。しかし、人権という視点から見ると差別的な目がいろんなところにころがっていた時代であったと思います。ドラマでは女子労働者の生活がクローズアップしていますが、はたしてドラマのような仲良し女子労働者という状況があったのでしょうか。疑問に思います。そして気になるのは、労使の対決ではなく、労使協調路線があまりにも強い感じがするのです。当時は労働運動もさかんな時代でした。労働組合への加入率も高かったと思いますが、そのような気配はまったく出てきません。なぜ、そのような場面を外しているのか、どことなく日本人の融和的で家族的な労働環境を評価し、それが日本の伝統であるようなことを強調するドラマの匂いがします。
 しかし、本日のドラマでは「一人一人の生き方にはドラマがある。それが東京の人たちなんだということがわかりました」というような趣旨の台詞が流れていましたが、その言葉にはぐっと感動してしまいました。
 朝ドラ、今回の作品も注目しています!

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by shin-pukupuku | 2017-06-02 12:20 | 映画 | Comments(0)

「追憶」を見て

「鉄道員(ぽっぽや)」「あ・うん」などの作品で有名な監督・降旗康男と撮影・木村大作がタッグを組んだ作品で、岡田准一主演の作品でした。
 見ての第一印象は、まるで松本清張の作品を映画化したようだというものでした。児童養護施設、殺人、約束、再会ーなどのキーワードがこの映画では上げられますが、それらは松本清張の小説のなかでは何度となく出てきたものではなかったかなあと思うことでした。まあ、そのために全体的にトーンが暗いのですが、最後のクライマックスに向けて映画構成は練られていたような気がしました。「あなたの大事にしてきたものは…」という呼びかけは、自分だけのためではなく、人のために生きていくことのすばらしさを教えてくれていたようでした。そして、本当の親子とは何かを考えさせるものでもあったような気がしました。人は過去を思い、過去に悔やみながら今を生きているということなのかもしれません。そのために何ができるのか、それをこの映画は語りかけていたような気がしました。
 全般的には、それほどすごい作品という感じはしませんでした。平凡な作品のような印象を持ちました。最後のクライマックスでは、涙を流す人とそのまま映画館を出て行く人の二つに分かれていましたが、泣いている人は過去になんらかの傷を抱えているのかもしれません。 


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by shin-pukupuku | 2017-05-16 09:18 | 映画 | Comments(0)

ラ・ラ・ランドを見て

 見終わった後の第一印象は素敵な作品だなという感じでした。作品のキーワードは、夢・恋・人生でしょうか。ミュージカルとダンスが作品全体で味付けをしていましたが、なんといっても人生のすばらしさということをこの作品は伝えているような気がしました。

 夢をかなえる人は一握りの人たちですが、何度も挫折しながら挑戦し、その度に落ち込みながらも、さらに自分を進化させていくのでしょう。この作品は、恋に落ちた二人が支え合いながらそれぞれの夢を実現させようとする姿を私たちに示しながらも、少しの人生のかけ違いが別の人生を生み出していくことを教えていますし、それらの人生すべてが、実は素敵なことなんだということを私たちに教えてくれているような気がしました。ジャズのお店を開くのは二人の夢でした。そこで演奏する曲は、二人にもう一つの人生があったかもしれないことを見せてくれますが、それはそれで演奏と同時に終わってしまうのです。人生はどうなるのかわかりません。しかし、二人の再会は後悔ではなく、そんな夢を見せてくれた二人の時間の共有に感謝したのでしょう。そんな作品ゆえに、私には「人生を語っている素敵な作品だなあ」と感じさせてくれました。実は、ヒロインが最後のオーデションで語る祖母のセーヌ川に飛び込む話を聞いて、私は涙が出ました。実現しなかったけれども、祖母のその話は自分の人生に後悔はないということをさりげなく教えていたからです。ここでも人生のすばらしさということを伝えていたと思います。


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by shin-pukupuku | 2017-05-09 09:08 | 映画 | Comments(5)

海角7号

 タイトルの映画をDVDで見ました。前回に続いて、台湾映画です。この映画は、今から10年ほど前に大ヒットした作品で、タイタニックに次ぐ興行収入であったと解説には書いていました。今回も近くの研究室の先生からお借りしました。
 映画のストーリーは、台北でロックシンガーとしての夢破れた青年が、故郷の恒春に戻ってきます。恒春は台湾本土の最南端にある町です。過疎が進む恒春の街おこしの一環として町長自ら、日本の有名歌手コンサートを開催し若者を呼ぼうとします。その前演奏の地元音楽グループのシンガーとして、その青年が指名されますが、未熟なグループ仲間の演奏に意欲を失い、本気になれません。日本から歌手を呼んだ恒春にやってきた日本人女性は、このコンサートのプロデューサーとして、奔走しますが、青年のやる気のなさに怒りさえ感じるようになります。しかし、二人はやがて惹かれあっていきます。そんな時に、戦後、台湾を去って行った日本人男性の恋文を見つけます。そこには、台湾に残していった「民子」という女性への愛が綴られていました。…
 ストーリーがとてもよく構成されていて、次第に引きずり込まれていきました。基本的にコメディ仕立てなのですが、最後は涙が出てきます。基本的には台湾の人たちの心の思いが流れているのではないかと思いました。
 なかなかおもしろい作品でした。興行収入がすごかったのも分かるような気がしました。ちなみに日本人の有名歌手は「中孝介」でした。この映画を通して「中孝介」は台湾で有名な日本人歌手の仲間入りをしたと思われます。

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by shin-pukupuku | 2017-04-25 09:29 | 映画 | Comments(0)

「非情城市」を見て

 ずっと探して見たいと思っていた台湾映画です。近くの研究室の先生が、DVDを貸してくれました。大喜びで早速鑑賞することでした。
 この作品は1989年に侯孝賢監督によって製作された作品で、主人公はトニーレオンです。その年のヴェネツイア国際映画祭で金獅子賞を受賞した有名な作品です。この映画は台湾で1947年に起こった2・28事件を初めて描いた作品でした。
 この映画を見ると台湾の日本植民地からの解放後の歴史が理解できます。
 主人公は林家ですが、そこには4人の兄弟がいます。その4人の人生が台湾の重い歴史を物語っているように私には思えました。次男は日本の兵士として徴用され南方に送られましたが、戦場から戻ってきません。三男は、中国からやってきた上海ボスとのアヘン密輸で密告され、国民党の警察に逮捕されます。そして拷問によって知的障害となってしまいます。長男は、地域の勢力争いで命を落とします。四男であるトニーレオン役の文清は、耳が聞こえません。写真屋として店を開き生活していましたが、二・二八事件の関係者としてとらえられ、最後は帰らぬ人になってしまいます。
 それら、林家の兄弟の運命は、まさしく台湾の歴史と重なっていたと私は思いました。特に、二・二八事件以後の国民党による弾圧は多くの知識人を逮捕投獄し、命を奪っていったのです。それが明らかになったには、1980年代からだったのです。
 この映画は、台湾の人びとがいかに歴史に翻弄されてきたかを林家を通して描いていると思いました。全般的に暗い映画ですが、見る価値はあると思います。

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by shin-pukupuku | 2017-04-19 09:19 | 映画 | Comments(0)