格差社会

 今,『前夜』という季刊誌を読んでいます。編者は高橋哲哉,岡本有佳,
李孝徳,高和政,中西新太郎,三宅晶子,徐京植,菊池恵介です。
 今回の特集号8号は「格差社会の深層」です。編集責任者は,中西新
太郎。中西先生はすっかり日本を代表する社会学者として有名になりま
したが,今の横浜市立大学の前は鹿児島大学の教育学部で社会科教
育を教えていました。

 そのころは,私も20代でしたが,1週間に1回は現場教師のために学習
会を開いてくれて,そこで授業案を中心にかなりつっこんだ議論をした記
憶があります。
 自宅へも足を運んだことがあり,ベトナム料理をつくってくれて,感激した
こともありました。恩師のひとりということになります。

 その先生が格差社会について論じていました。
 特に竹内章郎氏との対談はおもしろいですよ。
 印象に残った点を一つだけ紹介すると,最近の格差社会論の欠陥として,

 「1つは歴史的視点の欠如」「二つめは日本だけしか見ていないというこ
と。」
「さらに,少数者,弱者,いわゆるマイノリティがかなりひどい差別を受けて
いる現実はたくさんあるにもかかわらず,多くの論者がそこに目がいってい
ない」

という指摘をしています。能力主義での格差は差別の範疇ではないのかと
いう根源的な問いかけまでもしています。
 そういえば,能力主義を是認している自分たちがいるような気がします。
能力での格差は当然だと・・。その線上には,障がい者に対する差別に
当然いきつくわけです。

 いろいろと考えさせられる雑誌になりそうです。
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by shin-pukupuku | 2006-09-30 06:03 | 雑感 | Comments(1)

 安倍晋三が内閣総理大臣に任命されました。
 NHKの「ニュース9」をDVDに録画して,明日の公民の授業で活用し
ようと準備しましたが,ニュース9はちょっと使えませんね。あまりにも間延び
しすぎです。もう少し,国務大臣をしっかりと放送してほしかったなあ。
新聞の大臣一覧を教材にして授業をつくることになりそうです。

 それにしても,安倍新内閣は,わたしのような公立の教員にとっては,
かなりきびしい時代を迎えることになりそうです。就任演説でも,公立学校
の改革を訴えていました。おそらく,新自由主義的な政策をとる安倍氏です
ので,公立学校内,あるいは学校間での競争が導入されることでしょう。た
だでさえ忙しい学校現場はますます多忙になると予想できそうです。そして,
競争ゆえに職員間の連携も切り刻まれていくことでしょう。子どもたちとのコ
ミュニケーションは,教師に余裕があって初めて深まるものであるのに・・・。

 美しい国日本というスローガンを掲げていますが,だれにとって美しい国日
本なんでしょうか。少なくとも国民にとって美しい国になりそうではないと私は
思うのです。格差社会は,ますます格差を生んでしまうことになってしまうの
ではないか,安倍晋三内閣の今後に,きびしい社会へのおそれを感じています。
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by shin-pukupuku | 2006-09-26 22:21 | 雑感 | Comments(1)

授業案の検討

 研究委員会を紫原中の図書館で夕方6時過ぎから8時まで行いました。
体育大会の代休で疲れているのにもかかわらず,多くの研究委員が,参
加してくれて,とてもうれしいでした。本当にご苦労様です。

 審議したのは室町文化とつくりだしたひとたちの授業案です。河原者に
スポットをあてて,2時間扱いで中世において差別された人たちの問題を
取り上げ,室町文化の担い手であったことを気づかせるというものです。

 研究委員は,この授業案審議を通して問題意識をもって,中世の被差別
の人たちについて学習できていると思います。こういう点がとても意義深い
ものですよね~。研究討議を通して参加者の認識レベルが高まっていく
という状況は,授業者の取り組み自体の成功を示していると私は思ってい
ます。

 しかし,なんといっても子どもたちの認識の変化と深化をわたしたちは見極
める必要性があると思います。子どもたちから見るとその教材はどのように
学びの道筋で取り入れられていくのか,そこが大事ではないかなあ。
 学びの筋道と学びの共同性,そういう観点からも授業案を検討していくこと
の大切さが問われていると思います。

 授業者は,何回も書き直しということになり,つらい日々が続きますが,め
げずに新たに作り直していくこと,それが成長していくことにつながっていく
と思います。
 あと2ヶ月以上ありますが,苦しみながら,そして知の歓びを感じながらが
んばっていきましょう。
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by shin-pukupuku | 2006-09-25 22:57 | 教育関係 | Comments(1)

夏から秋へ

 このブログのスキンを変更しました。夏から秋への季節を意識しての
変更です。紅葉は昔から好きなので,秋を代表するものとして,使用して
みました。家の裏には,紅葉を2本を植えましたが,栄養分が行きわたっ
ていないんでしょうね,植えたときとほとんど同じ状態です。すでに2年
たつのですが,大きくなりません。

 さて,きょうは午後から娘と二人で,健康の森のプールに行きました。
ずーーと約束していたのに,なかなかいけなかったので,そろそろ行か
ないとと思い,車で向かいました。かなりつかれてはいましたが,かわいい
わが子のためです。

 行ってみると,夏休み中の喧噪はどこに消えたんでしょう。プールもがら
がらで,秋になるとこんな風になるのかということを感じさせるものでした。
夏休み中は人,人,人の状況だったのに,やはり秋なんでしょうね。

 温水プールなので,快適でした。天然温泉もついているので,温泉にも
つかりながら,プールで泳ぐというちょっとした余暇の過ごし方です。少し
だけの幸せを感じることができました。
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by shin-pukupuku | 2006-09-24 21:55 | 雑感 | Comments(0)

「出口のない海」を見て

 先週見た映画の紹介です。「出口のない海」という作品です。
原作は横山秀夫,脚本は山田洋次という期待の作品でした。
予告を昨年見た瞬間から,前売り券を購入していました。というのも
昨年,この本を読んでいたからです。

 今回の作品で考えたのは,まず主人公の並木浩二(市川海老蔵)の
父親役である高校教師の三浦友和が,出征する前の息子に「国家とい
うのは何なんだろうね?昔,アメリカ人の英語の同僚がいたけど,とても
いい人でね・・・。」というセリフ。国家と個人という問題を投げかけていた。
「お国のために命を・・」という息子に,お国というのは何なのかを投げかけ,
ある意味,反戦的なセリフを自分の息子に語った。

 最後のシーン。整備士が何のために死ぬのですか・・という問いに,「回天
という馬鹿げた武器があったということを後世の人たちに知ってほしい。その
ために俺は死ぬのさ」というセリフ。

 安倍政権が誕生し,憲法改正が現実問題になってきた現在,平和主義を
忘れがちな現代のわたしたちに,国家権力とは個人の自由権を簡単に奪う
ものなのだということを再確認してくれる映画である。最後は,目に涙をうかべ
た映画となった。
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by shin-pukupuku | 2006-09-24 15:23 | 映画 | Comments(1)

 夕方より,隼人の教育会館で行われた教育基本法改悪反対集会に参加し
ました。臨時国会を前にして,教育基本法反対集会への参加は,どうしても
ゆずれないものだと私は思います。何が何でも,参加しなければ・・と思い
参加しました。しかし,参加者は少なく,この問題の盛り上がりのなさに残念
でたまりません。

 私は,このような会合に参加しないことは,後の時代に禍根を残すと思い
ます。
(言い過ぎかもしれませんが,それぐらい感じています。)
 
 集会では日の丸・君が代問題で処分を受けた清川さんという都立高校を
退職された元教諭の報告を聞きました。びっくりしましたね。ここまでことが
進んでいるとは・・。
 授業案は毎日提出しないといけないし,部活動まで教師の仕事に位置づ
けられたんだンだそうです。校長の評価が給料にも反映し,学校内での上
下関係も確立され,管理体制はますます進み,教師間のコミュニケーショ
ンもなかなかとれない状況があるんだそうです。報告を聞きながら,その管
理体制のおぞましさにただただ驚くだけでした。

 先日の日の丸・君が代裁判の判決は砂漠の中のオアシスという印象を持
ちました。
 裁判官は相当の覚悟を持って判決を出したと思います。おそらく,出世を
あきらめ,右翼からの攻撃なども考えながらの,良心的な判断だったので
す。
 こんな時代だからゆえに,貴重な判決となりました。時代は,そこまで右
傾化しているという証拠だと思います。

 私は,学生時代に恩師から東京都の公立高校の教員を薦められました。
「君は,どうして反動的な鹿児島にもどって教壇に立つのか?それよりも民
主的な東京都の教員になれ!」と勧められました。

 でも,今の状況を考えれば,鹿児島でまだよかったのかなあと思います。
あの時,恩師のいうとおりに東京に残っていれば,私の人生はおそらく大
きく変わっていたことでしょう。日の丸君が代問題で処分を受けていたこと
は,まず間違いはないと思います。
 今回
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の判決は他人事ではなく,まさしく自分の問題でもあったのです。
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by shin-pukupuku | 2006-09-23 23:19 | 教育関係 | Comments(1)

オペラ

 今日は,18時より宝山ホールでオペラ「フィガロの結婚」を見ました。
ウィーンの南にあるオペラハウスのメンバーによる海外公演でした。
 
 歌声のすばらしさに感動しました。特に私は伯爵夫人のソプラノに
酔いしれましたねえ。出演者の歌声はレベルの高いものであったと
思います。

 この作品は,ご存じの通り,モーツアルトによるものです。それにしても
モーツアルトの作品は,250年後の現在にも通ずるものがあります。
それは,人間の欲望でしょう。不倫と欲望,愛と道徳など,現代人が考え
させられているテーマを,モーツアルトはオペラにしているわけです。
やはり天才だと思います。

 3時間にも及ぶものでしたが,居眠りすることなく,時間を感じさせない
ものになりました。終わった後も,どことなくさわやかな感じがしたのは
私だけでしょうか。

 映画もいいですが,オペラはさらに楽しめるものだと思います。みなさんも
どうでしょうか。
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by shin-pukupuku | 2006-09-21 23:10 | 映画 | Comments(1)

 本日は,体育大会の代休でしたので,映画三昧の一日でした。
久しぶりに一日に2本の映画を見ました。2本も見るとボーッとして
くるのが普通ですが,きょうはそういうこともなく,2本の映画の重みに
ひたっている自分でした。

 1本目は「出口のない海」でした。横山秀夫が原作ですが,昨年読んだので,
映画化されると聞いて,すぐに前売り券を購入していました。感動しました。
この作品については,後日,紹介します。

 きょうは,2本目に見た「マッチポイント」という作品について書きます。
最初に,テニスボールがネットを超えるシーンから始まります。そして,
次の言葉が流れます。

「ボールがネットの上に当たってはずんで
ツイている時は向こう側に落ちて,勝つ
ツイてない時はこっち側に落ちて,負ける

勝敗は運命が決め
人生はコントロールできない」

 この映画を見て運命の重みを感じました。努力を重ねて,運命は切り開け
るのか?ーーそう,この映画は問いかけています。

 主人公の青年は,アイルランド出身の貧しい家庭に育ち,テニスで活躍するが,
テニスを引退し,テニススクールのコーチになる,ねらうは,イギリス上流階級の
娘。やがてチャンスは訪れ,幸運にもスクールに通ってきたブルジョア階層の男性
と親しくなり,その妹と結ばれます。やがて,結婚。就職先もその結婚相手の父親
の職場に入社し,出世していきます。彼自身も上流階級の一員になれたわけです。

 ところが,同じようにアメリカ出身のセクシーで美人の女性がブルジョア家庭の兄
の婚約者として近づいてきます。そして,パーティの席でピンポンをしているその女性
と主人公は出会います。一目惚れした彼は,義兄の婚約者と関係を持ち,後に婚約
を破棄されたその女性と不倫を重ねるわけです。

 やがて,妊娠したアメリカ女性は離婚をせまります。主人公の青年は悩みます。
「離婚する」と言いながら,なかなか言い出せない。やがて・・・。

 これ以上書いてしまうと,実際に見たときにつまらなくなるのでやめます。

ただ,この青年が投げた指輪がテニスボールと同じように跳ね上がって・・・。
というシーンがとても印象的です。

 ストーリー展開に引きこまれていきました。運命の重みを私もこれまでの人生で
感じてきたので,この映画のテーマにはとても興味をひかれました。

 監督はあのウッディ・アレン。作品はサスペンスものです。でも最後の30分だけ
なんですが・・。f0048182_194893.jpg
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by shin-pukupuku | 2006-09-19 19:02 | 映画 | Comments(2)

台風被害は・・?

 台風13号は,鹿児島に上陸することなく,西側を通過したために
暴風圏に入った時間帯も短いでしたね。被害はなかったでしょうか?

 思った以上に風も強くなくて,わが家も被害なしでした。よかった!
 当初は予想コースやその大きさを考えたとき,わが家はおそらく
被害があるだろうと予想していました。わが家は,高台にあります。
強風は,わが家を直撃するわけです。

 2年前の台風では,屋根にはっている大きな鉄板が飛んでいきました。
雨漏りもありました。被害額60万なりでした。

 その時の記憶があり,930ヘクトパスカルの大きさからいって,2年前と
同じような状況があるのではないかと不安でした。

 でも,暴風は2時間程度で,それほどの強風が連続して続きませんでした。
おかげで,被害もなく,外回りを確認してニンマリでした。

 延岡は大変だったようですね。竜巻とは・・。
 体育大会は早々と順延になりました。おかげで,楽しみにしていた斎藤貴男
の講演に行けませんでした。残念。

 それにしても,14号が週末にという予報も気になりますね。
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by shin-pukupuku | 2006-09-19 09:23 | 雑感 | Comments(1)

 「グエムル 漢江の怪物」を見ました。
韓国映画で,監督はポン・ジュノ。
 ストーリーは,在韓アメリカ軍がソウル市内を流れるハンガン(漢江)に
投棄禁止の薬剤などを不法投棄し,川を汚していく。その結果,突然変異の
怪獣グエムルが誕生する。やがて,このグエムルが人間を襲い,この怪獣に
娘(ヒョンソ)をさらわれた居眠りばかりの父(カンドユ)が,家族と一緒に救出
に向かうという話。

 まず,この映画は怪獣映画なのか,ホラー映画なのか,ファミリー映画なのか,
ジャンルに分類することがむずかしい映画だなあと思いました。韓国映画は,
サービス旺盛で,お笑いがあったり,アクションシーンがあったり,泣かせるシーン
があったりと,観客は満足できるのですが,グエムルでは,社会的問題を随所に
風刺する場面がありました。

 まずは在韓米軍に対する批判があります。米軍はハンガンに不法投棄していた
のでしょう。公害からうまれる怪獣という発想は,水爆実験から誕生したゴジラや,
水質汚染から生まれた妖怪人間ベムがあります。
 公務員の汚職シーンもあり,金とコネ社会を批判しています。
 国連のWHOの役人が登場しますが,このWHOの職員に対しても,批判の目を
向けています。
 そして,ハンガン行われるデモに対して強圧的に排除しようとするシーンもあり,
政府批判も見せていると思います。

 怪獣映画にしては,深みのある映画に仕上がっていると思います。f0048182_924283.jpg 
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by shin-pukupuku | 2006-09-19 09:02 | 映画 | Comments(0)