新・あつい壁

 勤務校の人権学習で全校生徒に対して上映されたのを観ました。
 前作の「あつい壁」に続いて、中山節夫監督作品です。しかし、前作のモノクロとは違って、カラーだし、時代も大きく違います。なんといっても、希望の見える終わり方だった点が、工夫しているなあと思いました。私が思うに、監督はどうしたら希望を感じさせながら映画を終わらせるかという点を大事にしながら場面設定を熟慮したと考えます。最後のシーンは編者者が、掲載をいったんはことわったダイナマイト事件と冤罪についてのルポを、手にとって採用を決め、記事を書いた記者が彼女(その母はハンセン病患者を両親に持つことを語った)と手をつないで都会の人混みの中に消えていく場面でした。
 中学生の子ども達は、1時間ぐらいはストーリー展開に関心を持って観ていましたが、その後が少し説明的になったためか、集中が持続しない子ども達も何人かいました。しかし、この映画はハンセン病問題について中学生にもわかりやすく事件を通して説明していたと思います。母親がずっと自らを語るシーンは感動的でした。前作があまりにも重いテーマを抱えたまま終わった作品だったがために、今回は希望を感じさせていくシーンが良かったと思いました。
[PR]
by shin-pukupuku | 2009-02-25 21:43 | 映画 | Comments(0)

いのちの質

 先週の木曜日は力量研でした。今回は「死刑制度の是非を考える」実践をまとめて全国教研に行くことになっているSさんをお呼びして、報告してもらいました。参加者は5人でしたが、貴重な1時間あまりの時間になったと私は思いました。
 Sさんの実践報告を聞いたのは3回目でしたが、3回とも私はレポートからさまざまなことを考えさせられました。それだけにこの報告は、内容に奥深い問題を抱えたものだと思います。
 議論の中で話題になったのは、死刑制度の是非を考えさせる優れた実践になっているが、教師としてはその是非についてオープンエンドで終わっていいのか。日本社会の死刑制度を是とする世論の状況が増えている現況を考えれば、もう少し踏み込んだ教師の意見が必要なのではないかというものでした。
 参加者のHさんは、「被害者家族への共感は子ども達になって当事者意識になれるので大きなものになるが、加害者家族への共感は得られない。だから死刑制度を是とする意見が増えることだろう。」という意見に考えさせられました。また、Tさんは「いじめ問題も同じ。被害者の立場に立つことは非常に大事なことだけど、加害者の問題を解決しない限り、いじめは繰り返される」とのご指摘。
 私は昨年亡くなったBさんの修士論文で主張されている「いのちの質」の問題について意見しました。つまり、いのちの質にはけっして差はないということ。どんな人にとっても命は同じ質でなければならないーそういう考察が死刑制度についても語っていく教師の役割があるのではないかと私は述べました。
 大雨の中でしたが、貴重な時間となりました。
[PR]
by shin-pukupuku | 2009-02-22 12:21 | 教育関係 | Comments(1)

チェンジリング

 クリント・イーストウッド監督、アンジェリーナ・ジェリー主演の作品です。1920年代にロサンゼルスで起こった実際の事件をモデルにして作られた作品でした。見終わった後の第一印象は、「批評がむずかしい」というものでした。ストーリーとしては行方不明になったわが子がやがて警察の手によって帰ってくることになったが、その子はわが子ではありませんでした。必死になって母親である主人公は警察に訴えますが、聞き入れてくれません。それどころか、精神病院に送り込まれてしまうのです。・・・
 母親のわが子に対する強い愛情と正義を求めて警察に対して向き合う姿などが映像に描かれていましたが、たしかに観客を楽しませるのですが、なぜか物足りないという気持ちになったのも正直なところです。アメリカ映画の典型的な作品づくりが目についたからかもしれません。
[PR]
by shin-pukupuku | 2009-02-22 12:04 | 映画 | Comments(0)

 この作品は前作に続く第2弾です。話はキューバ革命を成功させ、キューバ政府の大臣にまでのぼりつめたチェは、役職と家族をおいてキューバを去り、さらなる革命の成功のために次はボリビアに向かいます。貧富の差に苦しむボリビアの農民たちのためにゲリラ戦を起こすのですが、ボリビアの農民はチェの革命を理解できず、ボリビア共産党も武装闘争に手を貸そうとしません。結局山岳部で逃げ出した仲間に裏切られたりしながら、やがて戦いは敗北を繰り返し、最後はチェ自身がつかまってしまい、ボリビア政府の指令で処刑されるというストーリーです。ゲリラを起こす革命勢力は、のどかな山岳部の自然を感じながら、また食糧不足と過酷な戦いに身を粉にしながら戦ったのだろうなあと感じながら画面を観ていました。自分もゲリラ戦で戦っているような気持ちになりました。しかし、何のための戦いなのか、最終的にはわからなくなっていた革命勢力でした。英雄チェの最後は、あまりにも民衆から乖離した状況だったのです。
 第2弾はさらにドキュメンタリー風の映画でありました。
[PR]
by shin-pukupuku | 2009-02-18 21:03 | 映画 | Comments(0)

ああお気楽ぶり

 U先生から「お気楽3人トリオ」とネーミングされて、それから6年以上経ったでしょうか?やはり私はお気楽です。「なんとかなるさ」が私のキーワードになりそうです。めげないと言ったらそうなんでしょうが、周囲から見たら、なんて人だろうと思われているんだと思います。
 きょうはまさしくそんなことを考えた一日でした。周囲には楽観的な話をしていましたが、結果は悲しい結末でした。わかる人にはわかると思います。はい。
[PR]
by shin-pukupuku | 2009-02-18 20:55 | 雑感 | Comments(0)

 第140回芥川賞作品です。読み始めた当初は、あまりおもしろくなかったのですが、読み進めているうちに津村さんの小説の世界に入り込み、はまって読んでいる自分に気づきました。派遣労働の問題が現在の社会問題になっていますが、まさしくこの作品は時代状況と重なり、同時にその派遣労働者としての視点からこの社会をえぐり出している作品だと私は思いました。163万円の世界旅行が労働としての年収という価値と、人間として生きていく意味を問い返すキーワードとなり、作品全体を貫いていたと思います。そして、ポトスの存在が、心象風景となり、薄給ながらも「生きたい」という希望を感じさせるものになっていると思いました。
 「なんだ、これぐらいなら、自分でも書けるぞ」と当初思いましたが、作品としてはかなり計算された濃密な心象風景が作品を際だてていて、「やはり芥川賞だけあるな」とうなずく次第でした。読みやすいのでみなさん、お勧めですよ。
[PR]
by shin-pukupuku | 2009-02-18 04:53 | | Comments(0)

難波宮跡

 下の写真は難波宮の大極殿から見た大阪城です。


 この土曜日から月まで大阪にいました。大阪城と近くにある大阪歴史博物館を見ていました。難波宮が前期と後期に分かれ、後期は奈良時代に聖武天皇によって築かれたということを学びました。平城京があったのに、同時に成立したこの難波宮は副都であり、大極殿があるところから対外的な施設として築かれていたようです。中国からの訪問者とかがあると、川沿いに天皇はこの都に移動し、訪問者を手厚くもてなしたのでしょう。
 「聖武天皇って、金もっているなあ」という私の質問に、同伴者は「律令制が確立していたという証拠でしょう」という返事であった。
 この施設で2時間は楽しめました。大阪の街の歴史についてもかなり深く学べたような気がしました。それにしても戦争時代の展示が少なすぎることに嘆いておりましたよ。
f0048182_4195274.jpg

[PR]
by shin-pukupuku | 2009-02-17 21:50 | 雑感 | Comments(2)

20世紀少年第2節

 この映画はさらにマンガチックになっています。どこかコミックのマンガを読んでいるような映画と言った方がいいかもしれません。はっきりいってしらけてしまいます。広い映画館の会場なのに、見ていた人は私が一人でした。きっと、お客は逃げることでしょう。最終章は8月ロードショーの予定ですが、見る人、いるかな?
[PR]
by shin-pukupuku | 2009-02-11 09:28 | 映画 | Comments(0)

誰も守ってくれない

 加害者家族の報道による人権侵害の問題を取り上げた作品です。被害者側の遺族の悲しみはよく取り上げれらますが、加害者側家族がマスコミによってどのように追い込まれるかという問題については、これまで取り上げられてこなかったと思います。作品を見るとそのすさまじさに圧倒させられます。さらにインターネットによる人権侵害の問題が大きくクローズアップされていました。
 政府の「人権教育・啓発に関する基本計画」(平成14年3月閣議決定)では、個別的な人権改題に対する取り組みとして「犯罪被害者の人権問題」「インターネットによる人権侵害」などもその一つとして取り上げられています。
 このようなテーマが映画化されるということに、日本社会はまだ健全な方向に進んでいると感じたのが私の第一印象でした。それにしても加害者の妹役を演じた志田未来を襲うさまざまな悲しみは、自分がもし当事者であったらと考えた場合、とても乗り切れるものではありませんでした。そういう中でも悲しみに打ち勝つ強さを演じて見せてくれた志田未来に拍手を送りたいと思います。いい作品だと思います。人権問題に関心を持つ人はぜひ見るべき作品でしょう。
[PR]
by shin-pukupuku | 2009-02-01 21:55 | 映画 | Comments(1)