「海街ダイアリー」(是枝裕和監督)を見ました。カンヌ映画祭のコンペディション部門にノミネートされた映画です。
 なかなかすばらしい作品でしたよ。
 舞台は北鎌倉。近くの駅は極楽寺でした。3人の姉妹が生活しているところに、腹違いの妹がいっしょに生活するという話です。
 何に心惹かれたのか?
 まず、鎌倉の四季の美しさが映像として示されます。桜や梅、紅葉などなど。山と海が映し出されます。
 葬儀関連が3回出てきます。父の葬儀、祖母の7回忌、そして海猫食堂の親しくしていた女将さん。死を見つめることは生を考えるということです。死を通して、私たちは自分の生き方を見つめ直します。果たして自分の人生はこれで良いのかと…。それが見事にあぶり出されていました。特にこの作品の父親は家族を捨てて再婚し、その先でさらに別の女性と結婚しています。捨てられた姉妹は、父親については他人のような見方なのですが、最後に「お父さんは本当は優しかったに違いないね。こんなに優しい妹を残してくれたのだから…」と長女が語ります。そして四姉妹は笑いながら、寄せては引いていく波際を笑いながら歩いて行くというシーン。印象的でした。
 是枝監督は人間の関係性を重視した作品をテーマにしているのかもしれません。前回の「父と暮らせば」でもそうでした。そして俯瞰的な視点で映像化しています。俯瞰的というのは、脈々と続く世代を超えて、その人物の時代と生き様を描いているという意味です。
 今回の映画では、食べるシーンがたくさん出てきました。そして私たちが一年間の暮らしの中で経験する季節の風物詩が出てきます。梅酒づくりもそうですし、夏祭り、そして満開の桜並木。暑い夏の蝉の音。浴衣を着て、海に映る花火のシーンではどういうわけか涙があふれました。
 この作品は、私たちの生きることについて、それでいいんだよと許しているような印象を持ちました。この社会に生きる私たちはさまざまな後悔や罪を感じながら生活しています。そのことを負い目に感じながら生きている人も多いと思います。この映画は、そのような私たちを俯瞰的な視点から、ひょとしたらそれは神の視点かもしれませんが、生きていることへの癒やしに成功しているのだと思います。だからこそ、映画評論家に評価され、カンヌ映画祭にノミネートされたのでしょう。すばらしい作品に出会えました。
 
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by shin-pukupuku | 2015-06-29 06:58 | 映画 | Comments(0)

リスクを考える

 内田良『教育という病ー子どもと先生を苦しめる「教育リスク」』(光文社新書)を読みました。著者については、広告鳥さんのHPに紹介されるtwitterを何度も読んだことがあり、柔道の死亡事故の件や組み体操のリスクについて興味を持って読んでいました。リスクから教育についてアプローチするというのは非常におもしろいと思っていました。内田は、エビデンスにもとづいた教育問題の考察を主張しますが、私も同感であります。
 構成は、①組体操 ②2分の1成人式 ③体罰と事故 ④部活動の加重負担 ⑤柔道事故からなっています。
 内田の働きかけもあり、⑤についてはここ3年ほど死亡事故がなくなったようです。柔道界が動いたためのようです。④については、最近、中教審が部活動支援員を増やしていくことを答申したようですが、これはここ数年、ブログである若い女性教員がさかんに部活動問題を取り上げ、それが話題になり、今年の3月10日に維新の会の議員が国会で取り上げたことも影響しているようです。この問題は長年の教育界における課題でありましたので、ぜひ改善の方向に進んでほしいものです。
 うちの同僚は福祉におけるリスク論の専門家ですが、彼の話しを聞くと、リスクにはプラスとマイナスがあると言います。彼に内田の話をしたら、マイナスだけのリスク論だねと一言。リスクを学ぶことでプラスに改善していくことが大事だと言います。そう考えると、組体操の教育的効果については、たしかにありますが、リスクがあるからやめるのではなく、組体操のリスクに対してどのような軽減策をとっていき、教育的効果を上げていくかが、大事ではないかと言うわけです。何段もあるような危険な組体操をやめて、簡素な演技でやっていくことが現実的ではないかということでしょう。
 リスク論については、私たちがやってきたいじめ判決書教材や体罰の判決書教材においても、その目的の1つになっているはずです。なんと言っても、裁判官の判断を学ぶということは、リスクの軽減のために学校教師や保護者はどのような対応をとっていくかを事例を通して学んでいるわけですから。内田の研究は今後も注視していく必要性がありそうです。
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by shin-pukupuku | 2015-06-27 17:11 | | Comments(0)

 この数日、鹿児島に帰省していました。博論のために姪の結婚式に突然出席できず、航空券がもったいなかったので、そのまま別日に予約変更して帰省したというわけです。鹿児島では、あまのじゃく氏の取り計らいで、R教協の県大会懇親会に参加させていただき、楽しく飲むことができました。ありがとうございました。4月以来の飲み会参加となりました。N先生の知的刺激のある話しと鹿児島の仲間の存在に勇気づけられました。
 今回の帰省は、改めて鹿児島の良さを感じさせるものとなりました。翌日は霧島の温泉に行って休養しましたが、身も心もリフレッシュできました。霧島の温泉は湯質が良いので、大満足です。食事も黒豚や鳥刺しなど、鹿児島の食材と温泉、そしてその風景に癒やされることでした。
 しかし、心配なのは大雨です。今年は8・6水害の時よりも多量の雨が降っているようですが、これから先が心配です。何もなければ良いのですが…。
 本日からまた石巻での生活が始まりました。仕事においては最近ストレスがたまっていますが、うまく自分自身をごまかしながら、やっていきたいと思います。無理しないようにしていきたいと思います。
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by shin-pukupuku | 2015-06-25 19:06 | 雑感 | Comments(1)

タブレットを買いました

 タブレットを買いました。TOSHIBAの手書きができる製品です。宿泊を含む旅行や出張の時に、かならずこれまでパソコンを持参していたのですが、やはり重い。前のバッグはそのために壊れてしまいました。そこで、タブレット型にしたのです。OSはWNDOWS8.1で、WNDOWS10への移行もできるようです。8型サイズなので、なかなか軽いです。
 昨日は、携帯可能のキーボードを買いました。キーボードといっしょに使用すると、小さなパソコンの登場という感じです。しかも、インターネットへの接続が早くて、これは便利なものを買ったなあと喜んでいます。手書きで書くノートもテキストへの変換も可能で、ノートが不要になる感じですね。メモ帳兼、パソコンという感じでしょうか。しばらく愛用していきたいと思います。
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by shin-pukupuku | 2015-06-19 09:24 | 雑感 | Comments(0)

久々の映画評

 あまのじゃく氏お薦めの作品「駆け込み女と駆け出し男」を見ました。久しぶりの映画に癒やされました。
 天保の改革時の時代背景と当時の社会の雰囲気を伝えようとした傑作だと思いました。時代劇特有の人間味あふれる場面をたくさん準備していて楽しむことができました。
 私にとってその中でも印象的だったのが、滝沢馬琴の南総里見八犬伝を当時の庶民がいかに楽しみにしていたかというシーンです。天保の改革は倹約と秩序回復を目指していましたが、庶民の当時のベストセラーへの飽くなき読書への欲望は止めることはできなかったのでしょう。
 大泉洋は医者見習いという役でしたが、その治療は東洋医学と西洋医学を踏まえたものでした。想像妊娠という精神的な病の治療についても、見事に成功していきました。
 一つ一つのシーンを見ると、時代状況を踏まえて、人間ドラマをうまく作り上げた作品だなという印象でした。
 東慶寺は私も思い出のあるお寺です。学生時代に夢破れて一人、鎌倉へ行ったことがあります。その時に「縁切寺」で有名な東慶寺を参拝しました。心傷ついていた私以上に、この寺に駆け込んだ女性たちの悲しい人生を想像することでした。3月にもかかわらず、まだ寒い日だったのを思い出します。
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by shin-pukupuku | 2015-06-15 11:01 | 映画 | Comments(1)

好きな本が読める喜び

 昨日、本屋に寄って、新書を中心に興味のある本を何冊か購入しました。早速、今朝早くから、読み始めています。研究とは関係のない本は、ここ数ヶ月読んでいなかったので、どことなくゆっくりした気分で読めています。やはり楽しいですね。新しい知と触れ合うことができるというのは、この上なく至福な時間です。
 それから、新聞についても隅から隅まで読めるようになってきました。紙面をめくって目に止まったところだけを読む生活でしたので、これもゆっくりできてうれしい気分の1つです。
 昨夜は、ヤクルト対西武戦をテレビで少しだけ見ました。これも幸せな気分の1つです。
 博論のために、やりたいことをすべて停止していたので、今の私は本当にゆっくりできて、うれしいかぎりです。
 明日あたりは、映画でも見に行こうと思っています。久しぶりの映画評を書きたいと思います。
  
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by shin-pukupuku | 2015-06-13 12:16 | 雑感 | Comments(0)

気分は晴れ晴れ

 気分は晴れ晴れです。博論を提出できて、本当に良かったです。Um先生も「苦行をのりこえて」とメールにありました。まさしく、そんな感じでした。最後までバタバタしました。結論は、1週間で書き上げました。その間に、100ページぐらい、ばっさり削除しました。最後の最後までUm先生の博論の内容や構成に関することの指導がありました。その指導を受けて取り組んでいきましたが、みるみるうちに博論の内容は高まっていきました。さすがUm先生です。感謝してもしきれない感じでした。連日のように電話をいただいて、指導していただきました。今回もまたUm先生の偉大さを感じることでした。
 また指導を受けながら、学ぶことも多かったです。
 博論の内容は、文科省のいじめの態様をもとにして、いじめを類型化し、その類型化に合わせて学習テーマを設定し、教育法学や法律学の研究の成果をもとにして、テーマに合わせた裁判例を選定しました。そして判決書教材を作成し、その教材の構成要素を明らかにし、構成要素を組み込んだ授業案を開発しました。そして授業実践を検討し、授業感想文をもとに、構成要素を抽出し、両者を比較することで、構成要素を分析し、整理しました。それを7つのテーマで行いました。
 最後に、取り上げたすべての判決書教材の構成要素、そして授業感想文にもとづく構成要素を全体的に比較検討し、本研究対象とするいじめ授業の学習内容の構成要素を分析、整理した研究です。
 つまり、構成要素がキーワードです。この授業にはいったいどんな学習内容の構成要素があるかを分析整理したわけです。当然、ローデーターもすべて博論の中で紹介しています。
 そのために、論文の半分以上は構成要素の抽出と分析の検討に枚数はあてられています。

 今回の私の研究で、いじめ判決書授業が広く認知されて、いじめ授業の発展に貢献し、いじめを防止抑止するため授業の1つになることを期待しています。
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by shin-pukupuku | 2015-06-10 14:10 | 雑感 | Comments(3)

ついに……

 今、博論の印刷をしているところです。明日までに締め切りなので、午前中に郵便局に持っていけば間に合うと思います。
 総枚数469ページ。よくぞここまで書いたぞというぐらい、書きました。博論も量で勝負?
 内容は、後日説明しますが、今までのいじめ判決書学習の総まとめという感じです。
 実は、徹夜でした。この前の金曜日も徹夜でした。ここ数日、休んでいません。ひたすら博論と向き合っていました。時間だけが過ぎていったという感じです。
 印刷がすごい枚数なので、時間がかかっていますが、あと1時間で終わるでしょう。
 人生でこれほど机に向かって、頑張ったのはこれまでありませんでした。博論が終わった後に病気になる人が多いと言われますが、それも分かるような気がします。私も健康には気をつけていきます。出したら本日はぐっすり寝ます!
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by shin-pukupuku | 2015-06-09 07:15 | 雑感 | Comments(3)