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佐賀のT中さんからの

 佐賀のT中さんから、私の教えているTH大学の学生一人一人にコメントをいただきました。学生らは、T中さんの授業DVDを見て、授業についての感想を書いたのですが、それをT中さんに渡したのです。よもやコメントをいただくなんて思ってもいませんでしたので、感謝感激することでした。おそらく学生たちは、教壇に立ってもT中さんのことは忘れないことでしょう。そしてさらに、授業も真似ようとするのではないかと思います。
 T中さんの授業実践の第一のすばらしさは、子どもたちの目線で授業のデザインを行っていることだと私は思っています。発問や討論の内容、教師の説明など、子どもたちの目線で授業を検討し、デザインしているのです。今回の報告でも、ペリー来航時の通訳や言語の問題がクローズアップしていましたが、それもまさしく子どもたちの思考の視点でデザインしていると私は思いました。
 安井実践との違いについては、「網野善彦研究の採用」「物語性」などをキーワードにして説明していましたが、O平先生が指摘したように、「生活指導」を考慮している点も違いの一つとして取り上げることができると思います。それと、「討論」による「開かれた価値観の採用」でしょう。分科会で私が指摘しましたが、安井実践は「理解型社会科」に分類される代表的な実践であり、その課題は主に「民衆側」などの立場で思考させる(そのために「共感」や「場面設定」が必要になってくる)ことにあるのです。その結果、民衆側という立場での価値観の思考になり、閉ざされた価値観での授業デザインになってしまうのです。私は将来主権者として育てるためには、必要なことだと思うのですが、社会科教育の研究者は批判的であります。その閉ざされた価値観を、T中実践は討論を嚙合わせることで、うまく拡散していると思います。それでも開かれた価値観にはまだ遠い気もしますが、少なくとも安井実践の課題を乗り越えた授業づくりだと私は考えます。
 開国の授業には「共感」がないーということにT中さんは驚いていましたが、それはそれで良いのだと私は思いました。

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by shin-pukupuku | 2016-12-30 07:14 | 教育関係 | Comments(1)

仲間に感謝

 鹿児島に帰省した時の楽しみは、仲間と杯を交わすことです。今回の帰省も二日間連続して忘年会と称して、飲みかわすことができました。初日は九民研で長年分科会でお世話になってきた九州の仲間たちとでした。同じ分科会で出会い、議論し、刺激を受けてきた同じ50代の仲間は、あと数年で退職となります。そのことを聞いて、改めて歳月の経つのがとても早く感じました。50代になっても、九民研に参加して学習しようとするその姿勢に頭が下がる思いでした。
 最近読んだ、高井良健一「教師の経験世界ー学び続ける教師」では、「⋯教師自身が学び続け、自らのライフサイクル上の課題と向き合い、自らの潜在能力を十分に引き出しながら、その人生を瑞々しく生きていくことが求められる。」と記されていました。この夜の仲間たちは、まさしくその教師に該当する方々だなあと思うことでした。

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by shin-pukupuku | 2016-12-30 06:51 | Comments(0)

「君の名は」を見て

 本年度大ヒット作品映画「君の名は」を遅ればせながら見ました。会場は相変わらず観客が多く、この作品の根強い人気は続いているようです。
 作品の終盤では、映画を見ながら涙する人々がたくさん見られました。私は、なぜこの映画は観衆を泣かす力があるのだろうと思いながら、作品を考えることでした。私の中では、3つの理由があるのではないかと今は思っています。
 ①命の実感ー私たちは日常的な世界の中で、高度化された情報社会などの影響で、日々生きている実感を感じることが希薄になっています。この映画は、東京の高校生と飛騨の女子高生が入れ替わるという設定によって、自分自身の生を感じさせています。そして、とても漫画とは考えられない日常生活の詳細なリアリティあふれる描写は、私たちの命が日常的な暮らしの中で毎日息づきながら生きているんだということを伝えているのではないかと思いました。映画を見て、自分の生を感じさせてくれるのです。そしてそれが自分の中の心の故郷を思い起こさせながら、実感させているような印象を持ちました。
 ②東日本大震災後の復興と命の復活ーこの映画は明らかに大震災後の惨状を意識しているのではないかと思います。愛する家族を失った人々は、永遠にその家族のことを胸に思いながら生きています。この作品は、その思いを命の復活という形で昇華させていると思いました。願いが成就されるのです。それは、愛する人への思いと重なっています。
 ③初恋の成就ー定番な恋物語ですが、やはり愛する人と出会い恋を成就させるというのは、人々の願いであり、それにこの作品は答えています。

 以上の3つの理由から、私は観衆を魅了していると思いました。そして、きれいな描写が多くて、それだけで癒されているような気がしましたね。基底には日本の自然の美しさの再確認というのもあるのかもしれませんね。
 

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by shin-pukupuku | 2016-12-28 10:32 | 映画 | Comments(0)

パプリック・スクール

 新井潤美『パブリック・スクールーイギリス的紳士・淑女のつくられかた』(岩波新書)を読みました。新井は比較文学比較文化が専門ですので、イギリス文学作品を通した『パブリック・スクール』の描かれ方を題材にして、イギリス教育の歴史やしくみを描こうとしたものでした。そこには、当然ながらイギリス社会の特色である階級社会が浮き彫りにされます。その中で代表的な学校システムがパブリックスクールというわけです。入学できる生徒たちはアッパークラスやアッパーミドルクラスと言われる労働者階級とは違う裕福な家庭の出身の師弟でした。そして文学作品においても、このパブリックスクールを舞台とした学園ものが人気の高い作品となってきたようです。
 副題を見て予想できるように、このパブリックスクールの教育を通してイギリス的な紳士がつくられていったのです。寮は全寮制で、最上級生による指導が行われていたようです。また、運動を重視し、クリケットやテニスなどに時間もかけられたようです。下級生に対するいじめも行われていたようですが、このような教育の伝統が、紳士淑女を培っていったのだと思われます。
 イギリスにおいても女子教育に対するシステム化は遅れていたようです。本格的に始まったのが19世紀と知って驚くことでした。日本と時代的にはそれほど変わっていないようです。そして女子教育も男子に対するパブリックスクールのシステムを真似た学校がつくられたということでした。
 教育の視点からパブリックスクールの歴史をもう少し描いてほしかったというのが感想でしたが、読み物としては楽しめる本なのかもしれません。

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by shin-pukupuku | 2016-12-25 10:40 | | Comments(0)

慰安婦問題をどう教えるべきか

 今、タイトルの問題についてレポートを作成中です。なんといっても先行研究で最先端は、アマノジャク氏のN社会科教育学会に掲載された論文でしょう。今回の私の発表はアマノジャク氏の論考を踏まえて、いかに差別化を図るかということになると思います。
 今のところ、アマノジャク氏の中学生向けの授業開発に対して、私は大学生に1コマの一般教養としてどう教えるかという違いがあります。活用した判決書教材については同じものですが、私はこの教材を活用した授業によって学生たちは何を学ぶことができるのかという視点で報告しますので、これについてもアマノジャク氏の優れた授業開発とは違っていると思います。
「生徒の意見が事前調査と比較してどのように変容したのか」「裁判所の判断に対して生徒自身はどのように評価し解決しようと判断したのか」というのが、アマノジャク氏の研究の視点ですが、私はあくまでも「戦後補償の判決書教材によって学生らはどのような学びが見られるのか」というのが基本的な視点になります。その授業感想による分析が、戦後補償の判決書教材を活用した授業は、教育内容としてどのようなものを内包し、準備しているのかということがわかるのではないかと思っています。
 あと数日で仕上げないといけませんが、文章を書き上げるまで時間はなさそうです。活用した資料やパワーポイントの印刷でごまかすことになるかもしれませんが、最後までがんばってレポートを仕上げたいと思います。

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by shin-pukupuku | 2016-12-19 09:55 | 教育関係 | Comments(0)

今後の教師教育は…

 文科省のHPを眺めていました。 国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議(第4回) 配付資料に審議会での意見交換や資料が出ていました。審議会では今現在、今後の国立教員養成大学や付属学校をどうするかという議論が進んでいることに気づきました。附属学校の存在意義が今問われ、さらに大学院は今後教職大学院にさらに変わっていくようです。教員養成は、教職大学院を核にして進めていくことが今後の方針になりそうです。そのため、全国の国立教員養成大学では、より一層、修士課程の養成コースを減らし、教職大学院に転換していくことが期待されています。そのために、大学教員の意識改革がより一層必要だとしています。
 その教職大学院が展開する拠点として附属学校を位置づける意見も出ていました。附属学校の教員は実践的研究者として、教職大学院と学校の両方に関わり、そのために全員を教職大学院へ入学させるべきだという意見もありました。また、教職大学院の教員を育てるために、いわゆるPh.dではなく、新たな資格を与えることも構想として上がっているようです。
 教職大学院には実務経験者が4割とされており、そのために現場の実践者だった先生方が多数実務家教員として採用されています。今後どのように改革が進んでいくのか、見守っていきたいと思います。

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by shin-pukupuku | 2016-12-18 12:04 | 教育関係 | Comments(0)

保育所実習での自己紹介

 保育所実習の授業で、保育所所長をゲストに迎え、学生の実習先での自己紹介についてコメントをいただきました。私はただ進行役なのですが、10数人の自己紹介を見ながら、大いに笑ってしまいました。
 学生たちは必死にやっていました。ギターを弾いたり、絵を描いたり、準備してきたもので自分の名前を紹介したりしていました。聞いている学生たちは保育園児役です。にこやかに自己紹介をするのですが、緊張感からかどことなくぎこちなく、準備したとおりにいかない感じでした。それでも必死にやっている姿は好感が持てました。またゲストの先生のコメントが的を得ていると思いました。
 笑ってしまったのは、聞いている学生たちの反応です。質問に答えたりするのですが、園児役ゆえにわざと間違えたり、別の答えを言ったりするのですが、それがまた笑いを誘うものでした。私も調子に乗ってしまって、「いか」の絵を描いてきた学生の質問に手を挙げて、「いか大王」と答えてしまいました。その絵が本当に「いか大王」にそっくりだったからです。先生は、いかに似ていない絵だねとコメントしていましたが、NHKの「Life」を見たことがある人はわかったようでした。私はひそかに笑いこけてしまいました。
 そんな感じで笑いながら授業に参加している自分がいました。楽しい時間となりました。特に私が担任している学生なので、親近感もあり、おもしろい授業でした。
 今年の勤務校での授業はこれで終わりです。しかし来週もいろいろやらないといけない用事がありますので、それを無事にこなして、冬休みに入りたいと思います。

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by shin-pukupuku | 2016-12-17 10:13 | 教育関係 | Comments(0)

忘年会

 本年初めての忘年会に参加しました。会議のために1時間遅れとなり、参加者の酔いについていけず、食べ終わったところで宴は終わりとなりました。宴会の最後の言葉は、教育哲学専門の先生が、徳田秋声とI町について蘊蓄を披露しました。I町が石巻ではないかというのです。宴会の締めの話で、こんな話を聞くのは初めてでしたが、すごく新鮮でなかなか興味深い話でした。
 次の忘年会は鹿児島に戻ってからです。飲む回数が少ないために、飲み会そのものが楽しみなのですが、しかも胸襟を開いて語り合える昔からの仲間です。今からとても楽しみです。

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by shin-pukupuku | 2016-12-16 14:49 | 雑感 | Comments(2)

鹿島アントラーズの勝利にびっくり

 昨夜は驚きました。世界クラブ選手権大会で地元代表の鹿島アントラーズが南米代表のアトレチコ・ナシオナルに3-0で勝利したことです。前評判は圧倒的にアトレチコ・ナショナルの勝利であったのですが、よもやのアントラーズ勝利です。サッカーはこれだから勝敗の結果が予測できず、それ故におもしろいスポーツ競技だと思います。
 私は、昨夜は仙台で会議があり、帰りがけの車の中で音声を中心に聞いていたので、実際のプレイをすべて見たわけではありません。前半はアトレチコが一方的に押していた展開でした。おそらく後半は逆転されるだろうと思いました。ところが、後半はむしろアントラーズの修正がうまくいって、アトレチコの攻撃回数が減りました。そしてこらえたアントラーズが点数を重ねていったというゲーム展開でした。
 しびれましたね。よもや世界一を目指して、決勝戦で戦うクラブチームがJリーグに出てくるなんて、私が生きている間はないだろうなと思っていたのですが…。優勝は無理だとは思いますが、決勝まで駆け上がったことを心から喜びたいと思います。決勝戦はがぶりついて見たいと思います。

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by shin-pukupuku | 2016-12-15 08:59 | サッカー | Comments(0)

オピニオン&フォーラム

 今朝の朝日新聞のオピニオン&フォーラムは「過労死の四半世紀」というテーマで、インタビューは弁護士の川人博さんでした。その中で、IT化が進んだことで労働の密度が高まっていて、オンとオフの区別がつかない状況を、実例をあげて紹介していました。たしかに、インターネットが発達し、携帯をだれもが持つ時代になって、労働そのものは加重になっているような気がします。以前は、喫茶店でくつろいだり、パチンコをしたりしていたサラリーマンもたくさんいたような気がします。それは営業の一仕事を終えたサラリーマンの姿でもありました。ところが、最近は喫茶店でパソコンを開き、新幹線や電車などでも開いている会社員を多数見かけます。おそらく、報告のためだと思いますが、以前は会社に戻ってから仕上げていたのでしょう。今は現場への行き帰りの時間を使って仕上げないといけないぐらい、労働は過密になってきているのだと思います。
 また、警察庁の統計では仕事を原因とする自殺は年間に2千件以上あるという事実に私は驚きました。労災申請は200件ほどで、わずか1割しかいのちの代償としての補償を求めていない状況に愕然としてしまいました。
 しかし、川人氏が言うように「残念ながら職場の現状は変わっていないけれど、異常な状態にあるという認識は共有されてきた」と思います。これから、二度と仕事によっていのちを奪われる人が出ないような社会にしていくことが今後さらにより一層求められると思います。

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by shin-pukupuku | 2016-12-14 09:53 | 雑感 | Comments(2)