「ルポ児童相談所」を読んで

 大久保真紀『ルポ児童相談所』(朝日新書)を読みました。大久保はご存知の方が多いと思いますが、朝日新聞の記者です。今では編集委員のようですが、鹿児島支局にいたこともありました。「中国残留日本人孤児」のことや「志布志事件」のことなど、これまで私が注目してきた記者の一人です。
 第一印象は、児童相談所の職員の多忙さです。そのことは耳にしていましたし、一人で何十件も対象児童を抱えているということも知っていました。
 しかし、実際に児童相談所に密着取材し、その対応や苦悩などについての調査記事を読むと、改めてその仕事の大変さに驚くばかりです。
 学校の教員の忙しさについては体験的に分かっているつもりですが、その忙しさとはレベルが違う印象を持ちました。同じ人間を相手にする職業ゆえに、機械的に対応出来るわけがありません。それぞれのケースに違いがあり、相手も違います。学校の教員もそのことを日々痛感しているわけですが、児童相談所はさらに対応する場面が常に修羅場になってしまう可能性が高いということです。しかも大きなミスは虐待死という最悪の結果につながってしまいます。責任も重いわけです。
 私はこの2~3年、不登校支援の研究を社会福祉を専門とする先生といっしょに行っていますが、虐待に対応している児童相談所の取組と不登校支援はかなり似通っている部分があると思いました。それは、一人一人の専門性を高めていくと言うことと、連携の重要性、さらに組織的な対応の必要性、および役割分担の明確化等です。
 虐待件数が増加していく中において、児童相談所の役割はますます高まっているわけですが、職権保護という児童福祉法の改正等に見られるようにより一層、法的保護が必要な印象を持ちました。
 

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Commented by yksayyys at 2018-06-15 18:18
大久保さんとは一度飲んだことがあります。頭の切れるとても豪快な方でした。今では、年賀状のやりとりのみですが、児童養護施設や児童相談所などにこだわり続けている方です。
by shin-pukupuku | 2018-06-15 09:35 | | Comments(1)

なにやら思いついたことをつれづれなるままにⅡ


by shin-pukupuku
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